診療看護師
〈NP: Nurse Practitioner(ナース・プラクティショナー)〉とは

日本NP教育大学院協議会が実施するNP資格認定試験に合格した者で、患者のQOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師をさします。
日本では、まだ制度化、資格化はなされていませんが、1960年代に米国ではNurse Practitionerが導入され、既に22万人以上のNurse Practitionerが活躍し、保健・医療を支えています。州による違いはありますが、Nurse Practitionerは一定レベルの診断や治療を行うことが認められており、提供した医療的介入のアウトカムは医師と同レベルであると報告されています。日本においても患者へのタイムリーな医療の提供、地域の医療保健福祉関連のスタッフとの協働により、効率よく円滑なチーム医療が可能となると診療看護師の活動成果が報告されています。

日本看護協会:NP教育課程修了者の活動成果に関するエビデンス構築パイロット事業報告.2019より
診療看護師(NP),医師,看護部長,看護師の視点からみた高度急性期病院におけるNPの役割と活動に関する考察.2020より

診療看護師の特徴・目的

日本NP教育大学院協議会では、診療看護師を「患者のQOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師」と定めています。現在、クリティカルケア領域とプライマリケア(成人・老年)領域の資格を取得した診療看護師は、急性期医療を担う大学病院から、介護施設、訪問看護ステーションなど様々な施設で医療、看護の質の担保、向上を図ることを目的に実践を行なっています。
診療看護師のような高度実践看護師にはコンピテンシーが備わっています。診療看護師のコンピテンシーは、①包括的健康アセスメント能力、②医療処置・管理の実践能力、③熟練した看護実践能力、④看護マネジメント能力、⑤チームワーク・協働能力、⑥医療保健福祉制度の活用・開発能力、⑦倫理的意思決定能力であり、これらの能力を最大限活用し、様々な多様化する医療ニーズに対応しています。

充実した学習環境
(臨床シミュレーションセンター併設)

NP養成プログラムでは、多くの演習や実習がカリキュラム内に組み込まれていますが、本学では、学内に「臨床シミュレーションセンター」が併設されています。高機能シミュレーターを複数所有し、センター内には模擬病室や模擬ICUが設備されているため、リアリティのある環境で演習や実習を行えます。臨床推論や特定行為の演習、その他の医療行為のトレーニングを行う際は、医療シミュレーショントレーニングを記録・管理できる総合クラウドソリューションのSimCaptureⓇを用いることで、自身のスキルの習得度や課題などを明確にすることもできます。他にはない充実した学習環境で学習することができます。